2022.07.05
環境を考える

再生可能エネルギー発電量の多い国ランキング!(2021年度まで)

ranking-of-countries-using-renewable-energy

脱炭素化を進めていく上で世界各国が取り組んでいるのが、太陽光発電や水力発電といった再生可能エネルギーの活用です。
世界各国が脱炭素化へと舵を切っているなか、日本国内での再生可能エネルギーの活用割合は、さほど大きくはありません。
一方で、1974年から着手している太陽光発電に関しては、日本は世界的にも導入が進んでいるという側面もあります。
この記事では、世界の再生可能エネルギーランキングやその普及率、また推移についても紹介していきます。

世界全体での主な発電方法(エネルギー生産方法)

まず、世界全体での主な発電方法をみていきましょう。
2017年時点での全世界の発電方法は以下の割合となります。

出所:IEA “Key World Energy Statistics 2019″を参考に作成

少し前のデータではありますが、傾向として、石炭・石油が少し減少した一方、天然ガス・太陽光・風力は少し増加しています。
その他については、ほぼ横ばいとなっています。

世界の再生可能エネルギーの発電量ランキングTOP5!

イギリスで作成された、2020年時点の世界の再生可能エネルギーの発電量ランキングをまとめた ”Statistical Review of World Energy 2021” では、以下のランキングとなっており、日本は第6位にランクインしています。

1位:中国
2位:アメリカ
3位:ドイツ
4位:インド
5位:イギリス
6位:日本

1位:中国(863.1TWh)

中国は経済成長に伴い、エネルギーの消費量が世界でもっとも多い国となりました。
石炭の消費量はおよそ6割と非常に高く、自ずと二酸化炭素の排出量も多くなってしまっています。

その一方で、脱炭素化に向けて、水素開発投資やEVの普及など国家的に大きく動いています。
そのような背景もあり、再生可能エネルギーによる発電量は、2位のアメリカを大きく上回り863.1TWh。
国内の発電全体の27%にも及びます。
中国では、脱炭素の実現に向けて、石炭火力発電プロジェクトの停止や、再生可能エネルギーの拡大に伴う整備など本格的な取り組みを進めています。

2位:アメリカ(551.7TWh)

アメリカの再生可能エネルギーによる発電量は551.7TWhで、比率は20%弱になります。
発電源としては天然ガスの使用がもっとも多い状況ですが、2035年までに脱炭素化することを政府が公約として掲げていることから、今後はさらに再生可能エネルギーの比率が伸びるのではないかと予測されています。

3位:ドイツ(232.4TWh)

ドイツの再生可能エネルギーによる発電量は232.4TWh。
2019年の時点で、ドイツ国内の発電量の割合は、再生可能エネルギーが化石燃料を上回るなど、世界的に見ても一歩リードした具体的な動きを見せています。
またドイツでは、2022年までに原子力発電を全て廃止するとともに、石炭や褐炭発電に関しても段階的に停止していくことが確定しています。
再生可能エネルギーがもっとも浸透している国という評価もできるのではないでしょうか。

4位:インド(151.2TWh)

インドの再生可能エネルギーによる発電量は151.2TWhとなっており、普及が進んでいるように伺えます。
しかしその一方で、メインエネルギーが未だ石炭であり、大気汚染が深刻な課題となっています。
世界でもっとも大気汚染のレベルが高い上位30都市において、インドが70%を占めている状況です。
そのような問題点もあり、脱炭素化に向けて、太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーの拡大を進めているという背景があります。

5位:イギリス(127.8TWh)

ドイツの再生可能エネルギーによる発電量は232.4TWhとなっており、なかでも火力発電の割合が極めて低い状況になっています。
2012年には40%もの割合を占めていた火力発電ですが、現在は石炭全廃の動きを見せており、脱炭素・脱石炭を積極的に実現しようとしています。

6位:日本(125.6TWh)

日本の再生可能エネルギーによる発電量は125.6TWhとなっており、再生可能エネルギーの中では太陽光が大きな割合を占めています。
次いで、風力発電やバイオマス発電が浸透しています。
これらの再生可能エネルギーは、石油のように輸入の必要がなく、国内で生産できることから注目を集めています。

世界の再生可能エネルギーの発電量の推移

再生可能エネルギーの発電量トップである中国では、2006年に政府が施行した「再生可能エネルギー法」により、再生可能エネルギーの導入に向けた推進制度を確立。その後は安定的なエネルギー供給を目指して発展に力を入れてきました。

日本の再生可能エネルギーの普及推移

日本における再生可能エネルギーの歴史は古く、実は1974年より研究が始まっています。
同年に石油に代わるエネルギーの研究開発の推進を目的とした「サンシャイン計画」が発足しました。
その後、省エネルギー技術の研究開発を進めるべく、1978年には「ムーンライト計画」が発足。
さらに1989年には地球環境保全技術に係る研究開発制度も創設されました。
またこれらの研究を総合的に推進する国家プロジェクト「ニューサンシャイン計画」が発足したものの、現在はプロジェクトを終了しています。

※再生可能エネルギーの始まりについては、以下の記事でも紹介しているので、ぜひこちらもご覧ください。

まとめ:再生可能エネルギーの需要は今後も高まる見通し

今回は、世界の再生可能エネルギーランキングや普及率、その推移について紹介しました。
今後、世界的にエネルギー自給率を上げていくために、太陽光発電など再生可能エネルギーへの需要が、ますます高まっていくことが伺えます。
もちろん課題は山積みで、脱炭素化は一筋縄ではいきませんが、再生可能エネルギーは、私たちのこれからの生活に欠かせないエネルギーのひとつであるに違いありません。
エネルギー資源をほとんど持っていない日本が、国際的にも貢献できる分野であり、チャンスでもあると言えるでしょう。

ちなみに身近なところでは、太陽光発電技術を活かしたソーラーバッテリーなども販売されています。災害用に用意したり、環境問題を考えるにあたって、こういうものを活用したりするのも良いのではないでしょうか。

 

タイトルとURLをコピーしました