あなたは、何世代ですか?
氷河期世代、ゆとり世代……ある年代に生まれた人々を「●●世代」として区切ることがあります。各世代の年数も命名方法もバラバラですが、数年単位で同じような時代に生まれて生きた仲間が、グルーピングされる傾向にあるようです。
グルーピングは、日本だけの現象ではありません。アメリカでもある世代の名づけは行われており、最近ではそれをそのまま日本に持ち込むことも多くなりました。
例えば、「ミレニアル世代」。こちらは、1980年以降に生まれた世代を指すようで、日本のメディアでも時たま聞くことがあります。
その10年後、すなわち1990年以降に生まれた世代を「Z世代」といいます。こちらの名称の方が有名かもしれませんね。最近ではマーケッターの間でも、Z世代に関する議論は盛んになっており、次代を担う消費者として新たな注目を集めています。
ミレニアル世代・Z世代は、リーダシップスキルより、個人のスキルを伸ばしたい
ミレニアル世代、Z世代。大きくは、20代から30代中盤を指す言葉ですが、この世代は上の世代と比べて、働き方・消費といった、ビジネスにおける価値観が大きく違うと言われています。
デロイトトーマツを中心とした調査機関が実施した調査によると、ビジネススキルにおいて「個人のスキル」を伸ばしたいか、「リーダーシップのスキル」を伸ばしたいか、という質問には80%以上が個人のスキルを伸ばしたいと回答。管理能力などリーダーシップスキルに関しては20%以下にとどまっています。現在はフリーランスとして働いたり転職を重ねたりと、就業観が多様化しつつありますが、個人のスキルを高めることでキャリア形成したいという考えが現れているのではないでしょうか。
ミレニアル世代・Z世代は、本物の価値を志向する
また本調査では、価値観の特徴として、「本物の価値を志向する」「自律と成長を重視する」「企業・ビジネスを諸価値実現の手段として重視する」といった回答も見られました。
「本物の価値を志向する」とは、自身の選択においては社会的に意味のあることや自分の意思を重視する、ということ。ビジネスに当てはめると短期的な業績などではなく理念や長期的なビジョンなどを優先するという傾向にあるようです。
「自律と成長を重視する」は前述のスキルアップと同様で、自身の成長を大切にしたいと思いがあります。
最後の「企業・ビジネスを諸価値実現の手段として重視する」は、価値の実現のために企業とサービスがあるという考え方。1つ目の「本物の価値を志向する」と被るところがありますが、賃金を得る手段ではなく、掲げた課題を解決するために組織に所属する、もしくは事業を営むという発想がこれに当てはまります。
ミレニアル世代・Z世代は本物志向? これまでの消費社会とは違う、消費の在り方をつくる
現在は、サステナブルな社会のあり方や、エシカルをはじめとした消費に対する考え方が見直されています。本物の価値を志向する、自分がどうありたいかを考えるミレニアル世代・Z世代は、まさにサステナブル・エシカル消費を牽引する存在になるのではないでしょうか。またこの世代は、インターネット広告やテレビCMといった、広告のシャワーに対してうんざりしている世代でもあります。周囲の意見に惑わされず、自分が良いと思ったものを選んでいきたいという思いが強いのではないでしょうか。
このような思考を持つ若者が、今後の日本の社会を担っていくと思われます。そうすると企業の大量生産・大量消費の在り方は、大きく変わっていくでしょう。消費社会の在り方そのものを見直すときが、来ているのかもしれません。