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2022.07.17
暮らしを考える

環境や社会に配慮した「サステナブルフード」とは? 種類や認証について

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環境問題の深刻化やSDGsの推進などから、持続可能な社会づくりが求められる今、地球環境や社会に配慮して生産された食品である「サステナブルフード」が広まりつつあります。

サステナブルフードは、私たちの食生活をこれからも持続可能なものにするために、地球環境や生産者などへの配慮から誕生しました。

テレビでも「サステナブル」という言葉を聞く機会が増えましたが、サステナブルフードとは一体なんでしょうか。

この記事ではサステナブルフードとはなにか、生まれた経緯や種類、サステナブルフードの生産におけるメリット・デメリットなどについてご紹介していきます。

サステナブルフードとは

最近よく耳にする「サステナブル」ですが、この言葉には「持続可能な」という意味が込められています。

サステナブルフードはその名の通り「持続可能な食べ物」のことを指しており、地球環境のみならず、生産者の人権や労働環境といった労働環境も含め作られた食材が「サステナブルフード」と呼ばれます。

数多くの食品ロスや魚介類の乱獲、そして地球温暖化などが進行するなかで、これまで当たり前とされてきた大量生産・大量消費を前提とした暮らしが、抜本的に見直されています。
このままでは地球が破滅に向かうと言われるなかで、「持続可能な社会」を形成するために、「サステナブルフード」の重要性が問われるようになりました。

サステナブルフードの種類って、何があるの?

サステナブルフードのなかでも、今注目を集めているのが「オーガニック食品」と「プラントベースミート」です。どのような食品なのでしょうか。

オーガニック食品

有機野菜をオーガニック野菜と読ぶことがありますが、オーガニック食品は以下の特徴があります。

  • 農薬や化学肥料といった化学物質を使わずに、環境に優しい有機栽培によって生産されている
  • オーガニック認証を受けているもの

栽培方法のみならず、第三者機関が認証を付与し、初めて「オーガニック食品」と呼ばれるようになります。

プラントベースミート

動物の肉ではなく、植物からできた代替肉を「プラントベースミート」と呼びます。

プラントベースミートのなかでも有名なのが大豆ミート
以前にも増して、健康意識が高まってきている現代では、大豆ミートが一般的にも認知されるようになり、スーパーでも見かける機会が増えてきました。

そのほかにも、「えんどう豆ミート」や「グルテンミート」といった様々な代替肉が広まってきています。

 

 

他にも、「サステナブルシーフード」や「サステナブルコーヒー」といった、サステナブルを冠した食品が生まれています。

今後も様々な様々なサステナブルフードが誕生していくでしょう。

サステナブルフード関連の認証は、どんなものがあるの?

ネットで、スーパーで、サステナブルフードを選択したい時に、判断の目安となる認証もあります。その制度をいくつかご紹介していきます。

国際フェアトレード認証

途上国の生産者たちの生活改善や自立を目的とし、その国の原料や商品を適切な価格で購入する公平な貿易体制を「フェアトレード」と呼びますが、このフェアトレードを証明する制度が「国際フェアトレード認証」です。
商品が完成するまでの各工程において、関係する組織を定期的に監査し、基準が遵守されているかを確認します。

【商品例】

レインフォレストアライアンス認証

持続可能な農業を推進するために、社会経済環境をもとにした認証プログラムを「レインフォレストアライアンス認証」と言います。

この認証は、生産者の人権保護、また森林生物多様性の保全が一定程度保たれていることを約束し、このマークのある商品を選ぶことで、持続可能な農業の実現に貢献することができます。

【商品例】

MSC認証

こちらは漁業に関する認証。基準に沿った漁業によって獲得された水産物に対する証を「MSC認証」と言います。
この制度は、持続可能な水産資源を残す目的で運営されており、このマークのある水産物を選ぶことで、持続可能な漁業を応援することができます。

【商品例】

  • 明太子おにぎり
  • フィッシュバーガー
  • ツナフレーク
  • 鯖の缶詰
  • 白身魚のフライ など

ASC認証

「MSC認証」を養殖業に置き換えた制度が「ASC認証」です。
このマークがある商品を購入することで、持続可能な養殖業を応援することができます。

【商品例】

  • ブリ
  • タイ
  • 二枚貝
  • 海藻 など

有機JASマーク

「有機農産物」「有機畜産物」「有機加工食品」「有機飼料」分野において、付与されるのが有機JASマーク
化学合成肥料遺伝子組み替えの使用禁止などが条件となっており、第三者機関が厳しい資産基準のもと精査して付与することで、商品に「有機」と表示することができるようになります。

【商品例】

  • 醤油
  • ケチャップ
  • ごま
  • 大豆
  • すし酢 など

—————————-
このように、私たちが日頃から口にしているような食材や調味料にも、サステナブルに関する認証マークが付いている場合があります。

一人ひとりが意識的に、これらの認証マークが付けられた商品を購入することで、わずかではありますが「持続可能な社会」の実現に向けて力になることができます。
ぜひ、スーパーなどで買い物する際は、これらの認証マークに注目してみてください。

サステナブルフードのメリット・デメリット

そんなサステナブルフードにも、使用におけるメリットデメリットがあります。その時その時の状況にあった食品を、無理のない範囲で選択していくことが望ましいです。

サステナブルフードのメリット

フードロスを減らせる

サステナブルフードとして規格外の野菜を販売したり、売れ残りの食材を惣菜の材料にして再び店頭に並べることで、本来であれば処分されるはずだった食材を活用することができます。

環境汚染や環境破壊を抑えることにつながる

化学合成肥料を使用していない食材を選ぶことで土壌汚染の防止につながります。
また肉をプラントベースミートへ置き換えることで二酸化炭素など温室効果ガスの排出を減らせるため、クリーンな地球に近づけることができます。

食糧不足を減らせる

日本をはじめとした先進国ではフードロスが問題になっていますが、世界に目を向けると、人口増加により食糧不足が問題となっています。
また地球温暖化が進むことで、耕作できなくなる土地が増えるとも言われていますから、このままではより一層食糧不足が進んでしまいます。

サステナブルフードへのシフトは、このような食糧不足を抑えることにつながります。

経済格差を縮めることができる

サステナブルフードを選択することは、劣悪な労働環境の撤廃につながります。
フェアトレードにより途上国の生産者の賃金をも公平にすることで、低賃金・長時間労働といった労働環境の改善を促します。

サステナブルフードのデメリット

コストがかかり、小売価格にも影響が生じる

環境に配慮して生産する食材には多くの手間がかかるため、その分コストが高くなってしまい、それが小売価格にも反映されます。
経済面を考慮すると、毎日の食卓には取り入れづらいかもしれません。

安定した供給が難しい

特にオーガニック食品などは気候の影響を受けて生産量が変わってしまうため、安定して同じ食材を入手することが難しい傾向にあります。

このような側面があるため、サステナブルフードの浸透には時間がかかっているのが現状です。

まとめ:少しずつ、食卓にサステナブルフードを

今回は、サステナブルフードが生まれた経緯や種類、メリットやデメリットなどについてご紹介してきました。

コスト面や安定した供給量の確保など、まだまだ課題は山積みですが、日頃の食卓にサステナブルフードを少しずつ取り入れてみるのはいかがでしょうか。
一人ひとりの選択は小さなものでも、それが集まれば大きな影響力を持つようになり、企業などの生産者も環境やフェアトレードを考えることが当たり前となっていきます。

おいしくて栄養のある食事はもちろんですが、それに加えてサステナブルフードという新しい選択肢を、ぜひ取り入れてみてください。

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